2019年4月18日木曜日

大野市化石発掘体験センター HOROSSA(ホロッサ)委託に至らなかった経緯について

私どもNPO法人九頭竜化石研究会は2014年から大野市より委託を請けて化石発掘体験事業を行ってまいりました。
しかしながら本年度(2019年度)につきましては大野市化石発掘体験センター HOROSSA(ホロッサ)の委託を請け負うことが出来ませんでした。

どのような経緯で私どもが委託を請けなかったか、私どもが知る事実を時系列に沿って申し上げます。



【2018年11月】
発掘体験センターの運営を行う指定管理者選定の事前選考会で当NPO法人は選定されなかった。
※この時点で2019年度はほかの候補者が化石発掘体験センターを運営する事がほぼ決定となった


【2018年12月】
市議会12月定例会にて化石発掘体験センターを含む各施設を運営する指定管理者の選定が継続審査となった。
※大野市議会WEB議事録より


【2019年2月~3月】
2月に行われた大野市議選挙の結果を経て、再度3月議会にて審査を行ったと思われる。
※詳細は不明


【2019年3月20日】
当時の担当課より突然『2019年度8月31日までの運営を委託できないか。見積を提出して欲しい』との打診があった。
※この打診があるまで、3月31日で契約終了という認識であった


【2019年3月21日~25日】
3月31日の契約終了に向けて行っていた退去作業を中止し、人員確保に奔走した。


【2019年3月26日】
人員の確保が出来たため、見積もりを提出した。
また、この見積書の内容で委託する旨を伝えられた。
再び営業できるよう作業を行い、新規スタッフの教育も開始した。


【2019年3月28日】
見積もりに修正箇所があったため、市役所を訪問したところ担当課長から『(運営可能な)人員は揃ったのか』『2年目なのでイベント開催し、来場者数増加を図りたい』『来年度の打ち合わせを行いたい』と伝えられた。
春休み期間中は他所でイベントを行っているため、打ち合わせを7日以降にして欲しいと担当課長へ伝えた。


【2019年4月8日】
本年度の打ち合わせを4月10日に行うことが決まった。


【2019年4月10日】
打ち合わせ時に昨年度と大幅に方針が違う契約書案・仕様書案を渡され、担当課長から『この仕様変更に応じないのであれば契約できない』と初めて説明された。

主な仕様変更は以下の通り。

・本年度から化石は一切持って帰れない。
・現地発掘体験も行わない。
・教育施設とし、観光要素を減らす。
・採取できなかった方へのサービス中止。

※4月17日現在、これらの仕様変更はご予約者、ホロッサホームページ等でも一切告知されていない。

以下私どもが伝えた事。
「ご予約されたお客様に確認も連絡もせず、このような根幹的な部分を変更するのはあまりにも利用者を軽視するものであり、私どもとしては承諾できかねる。」

「中部縦貫自動車道工事で出た岩石を入れるため、どんな化石が出るかわからないために持って帰れなくするという担当課の理屈だが、まず先にそれを調査するのが行政の仕事ではないのか。また昨年度の岩石がまだ残っており、ゴールデンウイークだけでも現状を維持すべきではないのか」

「このような仕様変更は見積もりを依頼した時点であったはずなのに、私どもになぜ告知しなかったのか。このような条件であれば最初から見積もりを提出しなかった」と訴えた。

以下担当課の反応。
『とにかく仕様変更に応じないのであれば契約できない』
『昨年度と岩石が同じでも仕様適応するため持ち帰り不可』
『4月17日体験場オープン日が迫っており、行政もギリギリの状態であるので、即決せよ』

しかし即決できる内容ではなかったため、いったん話を持ち帰って協議し、12日に返答すると担当課に伝える。


【2019年4月12日】
市役所に赴き、私どもがまとめた意見を担当課長に伝えた。

①利用者の要望に沿っているかアンケートを取り、沿っていない場合は改善するつもりはあるのか。
②実情(お客様のニーズ等)を無視するような案なので来場者が減少しても構わないというのか。
③昨年度オープン時から2つまで化石は持って帰れるということにしている。またホームページ上でも記載しておりゴールデンウイーク・夏休み期間の予約も当然そのホームページ(※大野市作成)の記載をみて予約している。そのような方々への対応をどう考えているのか。
④仕様書の変更を打ち合わせ当日まで伝えなかった意図はなんなのか。
⑤経緯として、なぜ九頭竜化石研究会に再度依頼となったのか。その経緯を市長・議会に報告してあるのか。
⑥8月以降は決まっていない理由はなぜなのか。

担当課長から回答を得られたのは②のみであった。
内容は以下の通り。

『来場者に関しては減少しても仕方がない。
普段できない貴重な化石を発掘できる名誉を与え、大野市や学術的にどれだけ貢献したか履歴を作ることによりリピーターを増やし、利用者が徐々に増えていくことを期待する。』

また、契約終了に向けて3月20日まで行っていた退去作業は中止し、見積書を提出した3月26日から営業再開に向けた作業を行っている旨を説明したところ、担当課長から『なぜ勝手に片づけたのか』『誰が許可したのか』という発言があった。

担当課長には『仕様変更に応じないのであれば契約できない』との以外に意見はないことを知り、私どもはお客様を無視した運営方針を受け入れることは到底できないと思い、交渉は決裂した。


【2019年4月12日~14日】
退去作業を再開し、4月14日 退去が完了した。



ここまで読んでいただきありがとうございました。
以降、私どもの思いを書かせていただきます。

今回の大野市の対応には非常に残念な点があると感じます。

また事の経緯は公にされず隠匿されると感じましたので、今回WEB上で公にさせて頂きました。



ゴールデンウイークに化石を発掘しようと楽しみにされているお客様がたくさんいらっしゃるにも関わらず、この度の急な仕様変更をお伝えすることが出来なかったこと、深く深くお詫び申し上げます。

化石が出るかでないかは時の運としても『化石を発掘したい』といった気持ちを大きな目的としてお客様がご来場いただくのは当然のことです。
化石を持ち帰ることが出来るのか出来ないのかで、行く行かないを決定する方は数多くいることと思います。

3月20日に『4月1日から8月31日までの委託をお願いできないか』という話が来た際、非常に憤りを感じました。
大野市の厳正なる審査で他の候補者を選定した後にもかかわらず、このような差し迫った時期に委託を打診されるのは、どのような理由にせよあまりにも虫の良い失礼な話だと、一度席を立ったほどです。

しかし、こんな状況では体験を楽しみにされているお客様がどうなるかが気掛かりで、いったん話を持ち帰りました。

3月末で大野市との契約が終了する予定でしたのでスタッフも当然おらず、急きょいろいろな方にお願いし、人員の確保ができたため、見積もりを提出いたしました。

見積もり提出時の『運営可能な人員は揃ったのか』という発言は今思えば行政の姿勢がよく表れていたのだと思います。
お客様に満足いただける環境を整えてから見積もりを提出、当然の事です。

発掘を楽しみにしていただいたお客様、大野市長、大野市議会の皆さまにこのような経緯があり、現在に至った事を知っていただきたいと思います。


体験者がいてこその体験場、子供たちの笑顔があってこその化石発掘体験です。

利用者の事を第一に考え運営して欲しい、それが私どもの想いです。

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